「舞台の良さがわからない」と感じる人は、けっこういます。
実は、私もそうでした…。
舞台や演劇は、観客が「どこを見るか」を選択できるエンタメのため、見方の基準がないとおもしろさを捉えにくくなります。
この記事では、舞台の良さがわからない原因を紐解いていき、舞台を楽しめる手順と次にあなたが見るのにおすすめの舞台の選び方まで順を追って解説します。
舞台の良さがわからないと感じる主な原因4つ
舞台の良さがわからないと感じる原因として、だいたい以下の4つが当てはまります。
- 情報量が多くてどこを見ていいかわからない
- 共感性羞恥で「舞台は恥ずかしい」と感じる
- 良い感想を考えなきゃと思い込んでいる
- 見ていて意味がわからない
この4つの原因について整理していきましょう。
1.情報量が多くてどこを見ていいかわからない
楽しめない原因の一つに、情報量の多さで注目する場所が散ってしまい認知負荷が高くなるケースが挙げられます。
この場合の解決策として、最初の20分は以下の見方のどれかを固定してみてください。
- 気になる役者がいればその人だけを追ってみる
- 声の良い人を追ってみる
- 表情が豊かな人を追ってみる
- 動きがおもしろいと思う人を追ってみる
- セリフの掛け合いをじっくり聞いてみる
たとえば、声を追うと、台詞の強弱や”間”から人物の感情が読み取りやすくなります。
目に入ってくる要素が多いので、どれかに絞ってみると自分の好みが見えてくるはずです。
観劇後は印象に残った一場面をメモして、別軸で見て比較してみると作品の奥行きを楽しめますよ。
2.共感性羞恥で「舞台は恥ずかしい」と感じる
舞台は恥ずかしいと感じる場合は、共感性羞恥が働いている可能性が高いです。
舞台で共感性羞恥が働く理由は、主に以下の3つが考えられます。
- 大袈裟なセリフが現実離れしていて冷める
- 日常では言わないような臭いセリフが痛い
- 作り手の自己満足を感じて痛い
最初の2つは、もう、そういう作品です。
ミュージカルや芝居の濃いジャンルが苦手な人は、現代口語の会話劇やコメディ作品をおすすめします。
しかし、実は慣れるとクセになっておもしろさを再発見できる場合もありますよ。
3つ目は、その舞台の作者や団体とあなたとの相性が合うか合わないかです。
作り手側の自己満足で作られているのか、お客様の方を向いて作品を作っているのかの違いも関わってきます。
周りの評価も見て判断するのをおすすめします。
3.”良い感想”を言わなきゃと思い込んでいる
良い感想を考えたり言わなきゃというプレッシャーを感じる人もいます。
しかし、舞台を楽しめなかったとしても、感想を考える必要はありませんし、自分には舞台を見るのは向いていないと決める必要もありません。
映画やテーマパークに行った後もそうですが、終わった直後の感想って、「楽しかった!おもしろかった!」か「期待したおもしろさではなかった…」くらいじゃないですか?
しっかりとした感想を考えなくても、素直に楽しかったかそうでなかったか、おもしろかったかそうでなかったかでいいんです。
一方で、心に残ったシーンやセリフがあればメモにしておくのをおすすめします。
そのメモを見返した時に「あのシーン良かったなあ」と、振り返って舞台のおもしろさを思い出せるからです。
あまり考えすぎず、気軽に舞台を楽しんでみてくださいね。
4.見ていて意味がわからない
無理に楽しもうとしたり、周りに合わせる必要はありません。
映画やドラマにも意味がわからないと思う作品があるように、舞台や演劇にも合う合わないの好みがあります。
意味がわからないと思ったときは、以下のことに目を向けてみるのがおすすめですよ。
- 自分の好きな声や見た目の役者さんだけを見る
- 舞台セットを細かく見てみる
- お客さんの反応を見てみる
私もたくさんの演劇を見ていますが、意味のわからない作品もあります。
そのときは、登場人物一人だけを追って「なぜそのセリフを言うんだろう?なぜそこで怒るのかな?」などを考えたりして見ています。
意味のわからなさを見終わったあとも考えたり、一緒に見た人に質問したりしてみると新たな発見もあったりして楽しいですよ!
良さがわからない以前に、そもそも舞台ってなに?
「舞台」と一言に言ってもいろんな定義がありますが、ここでは「役者やアーティストなどがパフォーマンスを披露する場所」を指します。
つまり、演劇やミュージカル、歌舞伎や能、ダンスや音楽ライブも「舞台」です。
舞台の種類やミュージカルとの違いについて、以下で整理しましょう。
舞台は何種類あるの?
劇を指す舞台にも、主に以下の複数種類があります。
| ジャンル | 内容 | 主な団体 |
|---|---|---|
| 演劇(ストリートプレイ) | 新劇や小劇場といった複数のジャンルがある | 文学座 / 劇団乾電池 / 劇団☆新感線 / ヨーロッパ企画 / ダウ90000 |
| 大衆演劇 | 全国の劇場や温泉地などを巡業して時代劇・歌謡舞踏を行う劇またはジャンル | 劇団朱雀 / 劇団九州男 / たつみ演劇BOX |
| ミュージカル | 歌、ダンス、演技を組み合わせて物語を表現する劇 | 劇団四季 / 宝塚歌劇団 |
| オペラ | セリフのすべてを歌で表現する音楽劇 | 東京二期会オペラ劇場 / 新国立劇場 |
| 2.5次元 | 漫画・アニメ・ゲームなどの「2次元」コンテンツを、実在の俳優が演劇やミュージカルで表現する劇 | 日本2.5次元ミュージカル協会 |
舞台の中でも「劇」と呼ばれるジャンルでも、これだけの種類があります。
どれが自分の好みかがわからない場合や、これから見てみようと思っているときは、この表を参考にしてみましょう。
かなり短縮しての紹介のため、各ジャンルの詳細は別の記事でも解説しますね。
舞台とミュージカルの違いは?
舞台(演劇)とミュージカルの決定的な違いは、物語を伝える手段です。
- 舞台(演劇):主にセリフと演技だけで物語が進む
- ミュージカル:セリフや演技に加え、「歌」と「ダンス」が物語の核となる
舞台でも音楽が流れることもありますが、それはあくまで場面を盛り上げるためのBGM背景です。日常に近い会話劇や、重厚な人間ドラマをじっくり味わうのに向いています。
ミュージカルは、登場人物の感情が高ぶったときに言葉の代わりに歌で思いを表現するのが最大の特徴です。華やかな演出が多く、エンターテインメント性の高い劇といえます。
簡単に言えば、「お芝居だけで見せるのが舞台・演劇、歌や踊りが加わってショーになるのがミュージカル」です。
舞台の良さがわからなくても魅力を実感できる方法
舞台に慣れていない人でも舞台の魅力を実感する方法が、以下の3つです。
- 意味や内容を分かろうとしない!
- 気になった役者のセリフや動きを観察する
- 共犯者になる
実際に、初めて演劇をみた友人にこの方法を伝えると、すごく楽しめたのでお伝えしますね!
意味や内容を分かろうとしない!
まずは肩の力を抜いて「さて、どんなことが起こるのかな」と思いながら見始めてみてください。
事前に公開されているあらすじや、パンフレットなどに書かれている内容を読んでみるのも、より楽しむコツです。
意味や内容を理解しようとすると、楽しむ以前に作業になってしまいます。
物語やセリフの意味がわかった方が楽しめるのは間違いないですが、いきなり理解するのは難しいのも事実。
なんとなく作品の情報を入れて、気軽に見てみてください。
気になった役者のセリフや動きを観察する
パンフレットや目の前の登場人物を見て気になった役者を追うのも、舞台の楽しみ方です。
物語がまったくおもしろくなくても、役者の動きやセリフが良ければ満足感は上がります。
私も気になった役者を見たり、印象的なセリフを言う役者を追ったりして楽しんでいます。
「イケメンだな・かわいいな」という理由でも問題ありません。
生で見れるからこそ、気になる役者をその目で観察してみるのもおすすめですよ。
共犯者になる
その物語で起きている「虚像や嘘」を役者と一緒に信じて、世界観を創るのがここで言う「共犯者」です。
学校ではないのに”学校”とされる場所のイメージや、実際には目に見えないのに見えているかのように演技をする…。
このイメージを、役者とお客様とで共有するのが舞台の魅力であり醍醐味といえます!
共犯者になれる舞台ならではの理由は、役者と同じ空間にいるからこその「生の情報量」です。
呼吸、間、声の震えがダイレクトに伝わるからこそ、登場人物が見ているものやその場の感情・緊張感を、あなたも味わえるのです。
いわば、「自分が日常では味わえない非日常の追体験」こそが、舞台の一番の魅力といえますね!
観劇マナーについて【舞台の良さがわからないと感じる人向け】
とにかく、以下だけできれば問題ありません。
- スマートフォンは音と光が出ないようにする
- 飲食喫煙は所定の場所で
- 隣の人と大声で話さない
- 許可なく撮影と録音しない
**映画館と一緒ですね。**難しいことはありません。
服装などはこだわらなくても大丈夫です。普段着でかまいません。
物語中や最後の挨拶で、拍手が起こったり立ち上がったりする場合がありますが、無理に周りに合わせる必要はありません。
自分が拍手したいなと思ったら拍手すればいいですし、気持ちがたかぶれば立って拍手してもいいのです。
舞台の見方は、上記の一般的なマナーさえ守られていれば自由。
ぜひ気軽に見てください。その方が作り手側も嬉しいです。
舞台の良さがわからないと感じる人のよくある質問
ここでは、よくある質問に答えていきます。
舞台観劇の魅力は?
普段は体験しない世界を、役者が見ているもの感じているものを一緒になって感じられるのが、舞台の一番の魅力です。
目の前のリアルで起こっているからこその呼吸や空気感は、舞台でしか味わえません。
演技がうまい人の特徴は?
「この物語の世界の住人として生きている人物だ」と違和感なく自然に感じさせてくれる役者さんは、演技が上手い人だと考えています。
そういう役者さんは、観客を引き込む存在感があり、自然と目が離せなくなるからです。
ミュージカル観劇の暗黙のルールは?
映画館でも言われている、以下の4つができれば問題ありません
- スマートフォンは音と光が出ないようにする
- 飲食喫煙は所定の場所で
- 隣の人と大声で話さない
- 許可なく撮影と録音しない
舞台の三要素は何ですか?
舞台の中でも演劇に着目する場合は、脚本・俳優・観客です。
さまざまな解釈がありますが、ここでの回答は上記とさせていただきます。
脚本があるから物語が生まれ、その物語を再現する俳優がいて、その物語を見る観客がいて初めて演劇が成立します。
演劇のなかには、外で行う演目もあれば、最近ではホテルやテーマパークでも上演されるものも!
どこでもできるのが演劇の良さです。
舞台の良さがわからないと感じる方はコメディがおすすめ
舞台の良さはたくさんありますが、わからない場合はコメディ演劇を見てみるのをおすすめします。
コメディ作品であれば、笑えるというわかりやすい指標があり、難解な物語展開なども少ないからです。
他にも、知っている物語の舞台を選ぶのもおすすめします。
たとえば、劇団四季はディズニー作品が多いため、内容も知っていたりわかりやすいので見やすいジャンルです。
このようにコメディ作品か知っている作品を選んで見に行ってみると、舞台の良さがわかりやすくなりますよ。
福岡の劇団「万能グローブ ガラパゴスダイナモス」(通称ガラパ)は、演劇や舞台を見たことがない人でも楽しめる会話コメディを20年上演してきました。
もし、まだ舞台の良さがわからないと感じる場合は、ぜひガラパの作品を見てみてください。
きっと、舞台を楽しめる第一歩になりますよ。
